LINEでのアプリ開発の入り口は、Messaging API・LIFF・LINEミニアプリの3つです。いずれもLINEの中で友だちや利用者に届く仕組みを作るためのもので、LINEのようなチャットアプリ自体を自作する話とは別ものです。ここで扱うのは前者です。3つがそれぞれ何ができてどんな技術で作るのか、個人開発者がどこから手を付けると迷わないかまで、順番に見ていきます。
「LINEでアプリ開発」には2つの意味がある
LINEのアプリ開発を調べている人の大半は、①LINEの中で動くサービスを作りたい人です。友だち追加してもらったアカウントで自動返信したい、LINEを起点にWebサービスへ誘導したい、といったニーズがここに含まれます。ここではこちらを本題として扱います。
一方でごく少数ですが、②LINEのようなチャットアプリそのものを自作したい人も混ざっています。これはメッセージの送受信やトーク画面のUIを一から実装する話で、LINEの開発者向けサービスとはほぼ別領域です。①と②は必要になる知識がほとんど重なりません。②を目指している場合、LINEの開発者向けサービスをいくら調べても答えは出てこないので、最初に切り分けておくと遠回りを避けられます。
LINE公式が用意している開発者向けの入り口は、大きく分けてMessaging APIのボット・LIFF・LINEミニアプリの3つです。仕組みも作り方も少しずつ違うので、次のセクションから、それぞれ何ができて、どんな技術で作るのかを順番に整理していきます。どれか1つが正解というわけではなく、作りたいものの形に合わせて選ぶ道具だと捉えておくと理解しやすくなります。
Messaging APIのボット:会話で完結させる
Messaging APIは、公式の手順に沿って用意したアカウントを通じて、ユーザーと自動で会話するための仕組みです。ユーザーからのメッセージを受け取り、条件に応じて返信したり、決まった時間に通知を送ったりできます。問い合わせ対応や予約受付、簡単な診断コンテンツなど、会話の形で完結するサービスと相性がよい領域です。自動応答だけでなく、内容に応じて人が個別に返信する運用と組み合わせているケースもあります。
作り方としては、LINEのサーバーとやり取りするプログラムを自分で用意する形になります。ユーザーのメッセージが届くとサーバー側のプログラムに通知が来て、そこで処理した結果をAPI経由で返信する、という流れです。フロントエンドの画面は基本的に持たず、バックエンド寄りの実装が中心になります。
3つの入り口の中では、いちばん「アプリ開発」らしい作り込みが要らない形でもあり、公開までに必要な準備や手数も比較的少なめです。まず1つ動かしてみて、送ったら返ってくるという感覚をつかむ最初の一歩として選ばれることが多い方式でもあります。
LIFF:LINEの中で動くWebアプリ
LIFFは、LINEアプリの中に組み込んで表示できるWebアプリの仕組みです。トークに貼ったリンクをタップすると、ブラウザを別で開くのではなく、LINEの中の画面としてWebページが表示されます。予約フォームやマイページのような、画面を作り込みたいサービスに向いています。特別なアプリのインストールを求めずに、リンク一つで開いてもらえる手軽さも持ち味です。
作る技術は、普段のWeb開発と同じHTML・CSS・JavaScriptです。加えてLIFF用の仕組みを使うことで、開いている人がLINEでログイン済みの状態や、LINEのユーザー情報と連携した画面を作れます。Webの知識があれば、比較的なめらかに着手できる領域です。
Messaging APIのボットが「会話」で完結する形だとすると、LIFFは「画面」を持たせたいときの選択肢と言えます。会話の途中で詳しい情報を入力してもらいたい、一覧から選んでもらいたい、といった場面でボットと組み合わせて使われることも多くあります。
LINEミニアプリ:LIFFを土台にした公式な形
LINEミニアプリは、LIFFの仕組みをベースにしながら、より公式なサービスとしての体裁を整え、LINEが用意する検索や一覧の枠に載せてもらえるようにした形です。単体のLIFFアプリを個別に配布する場合と比べて、人の目に触れる経路が広がりやすいのが特徴です。店舗の会員証や順番待ち受付のように、日常の小さな用途をインストールなしで済ませたい場面と相性のよい形式です。
技術的にはLIFFの延長線上にあり、Web技術で画面を作る点は変わりません。一方で提供するには所定の申請や審査があり、個人が思い立ってすぐ公開できるLIFFとは、始めるまでの手続きの重さが異なります。その分、LINEの中で見つけてもらいやすくなるという強みとのトレードオフとして捉えておくとよさそうです。
最初から審査のあるLINEミニアプリを目指すより、まずは手続きの軽いLIFFで動くものを作ってみて、実際の反応や使い勝手を確かめてからミニアプリ化を検討する、という順番で考えている個人開発者も少なくありません。焦って重い手続きに進む前に、小さく試せる形から始めるのが無理のないやり方です。
共通の強みと、個人開発での始め方
Messaging APIのボット・LIFF・LINEミニアプリに共通する強みは、ユーザーにアプリを新しくインストールしてもらう必要がないことです。App StoreやGoogle Playを経由せず、すでに使っているLINEの友だち追加やトークのリンクが、そのまま配布経路になります。普段から友だち登録してもらっている相手に、そのまま新しい機能を届けられるのも安心材料です。
個人で開発したい人にとっても、始めるまでのハードルは低めです。LINE Developersで開発者登録をして、小さなボットを1つ動かしてみるところまでは、無料の範囲で試せます。まずはアカウントを作って、実際に触ってみるのが一番早い理解の仕方です。
作る順番としては、まずMessaging APIのボットで「メッセージを送ると返ってくる」という一往復を体験してみるのがおすすめです。仕組みの感覚がつかめたら、Webの知識がある人はLIFFに進み、画面を持った作り込みに挑戦するとスムーズです。焦って全部を一度に作ろうとせず、小さく試して感触を掴む進め方が向いています。
ネイティブアプリと迷ったときの判断軸
ここまで見てきたLINEの中で作る選択肢と、App StoreやGoogle Playで配布するネイティブアプリ、どちらを選ぶか迷う場面もあると思います。判断軸はシンプルで、すでにLINEでつながっている相手に届けたいならLINEの中、まだ出会っていない新しいユーザーにストア検索で見つけてもらいたいならネイティブアプリ、という分け方です。
後者、つまりストアでの検索を入り口にしたい場合は、作る前にそのアイデアがどれくらい検索されているかを確かめておくと、開発の手戻りを減らせます。AppLupeのようなツールを使えば、狙いたいキーワードの検索ボリュームや関連キーワードを、メール登録だけで毎日3回まで無料で調べられます。検索結果に並ぶ他のアプリと比べてもらいながら選んでもらえるのは、ストア配布ならではの強みです。
なお、Messaging APIやLIFF、LINEミニアプリの仕様や提供条件は、今後改定されることもあります。実際に開発を始める前には、思い込みで進めず、最新の情報を必ずLINE Developersの公式サイトで確認してから着手すると安心です。
よくある質問
Q. LINEアプリ開発は無料で始められますか?
LINE Developersでアカウントを登録し、小さなボットを1つ動かしてみる程度であれば、無料の範囲で試せます。ただし本格的に運用する段階になると条件が変わることもあるため、始める前に必ず公式サイトで最新の情報を確認しておくと安心です。
Q. ボット・LIFF・ミニアプリはどれから始めればいいですか?
Web制作の経験が少ない場合は、まずMessaging APIのボットで「送ると返ってくる」という基本の流れを試すのがおすすめです。HTML・CSS・JavaScriptに慣れているなら、画面を作り込めるLIFFから始めても無理はありません。
Q. ストアアプリではなく、LINEの中で作る強みは何ですか?
いちばんの強みは、ユーザーに新しくアプリをインストールしてもらう必要がないことです。すでに友だち追加してもらっている相手やトークでつながっている相手に、追加のダウンロードなしでサービスを届けられるため、案内してから使ってもらうまでの距離が短くなります。
AppLupe(アップルーペ)運営ツールこのブログを運営しているAppLupeは、App Store対応のASOツールです。「作ったアプリが検索で見つからない」を解決するために、キーワード調査から順位計測までを1つにまとめています。
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