個人開発のアプリ企画書は、A4一枚・5分で書ける程度のメモで十分です。会社に提出する分厚い書類を思い浮かべるところですが、目的は誰かの承認を得ることではなく、アプリ開発を始めたあとの自分が途中で迷わないためにあります。作りたいものは決まったのに、いざ手を動かすと画面構成や機能の優先順位で毎回止まってしまう——そんなときに効く、スマホアプリの企画書として1枚に書いておきたい5つの項目と、手書きで足りる画面の流れの描き方、外注する場合に書く内容が変わるポイントを整理します。
アプリ開発の「企画書」という言葉のイメージを一度外す
企業の企画書というと、体裁の整ったパワーポイントや、上司の承認をもらうための分厚い書類をイメージするかもしれません。個人開発でも同じものを用意しようとすると、書式を整えること自体が目的化してしまい、肝心の開発に入る前に手が止まります。
個人開発で必要な企画書は、A4一枚・5分程度で書けるメモで十分です。誰かに見せて承認をもらうための書類ではなく、コードを書き始めたあとの自分が迷わないための地図だと考えると、書く量も形式も自然と絞り込めます。手が止まったときに読み返すためのメモ、というくらいの気持ちで書き始めるのがちょうどいいバランスです。
実際に開発を進めていくと、「この機能は本当に要るのか」「次はどの画面から作るべきか」といった判断が何度も出てきます。企画書はそのたびに、最初に決めたことへ立ち返るための拠り所になります。凝った書式にする必要はなく、自分が読み返して分かればそれで十分です。数日空けて再開したときに、前回どこまで何を考えていたかを思い出す手間が消えるだけでも書く価値があります。
スマホアプリの企画書として1枚に書く5つの項目
まず書くのは、「誰の、どんな困りごとを解くのか」です。ここが曖昧なままだと、あとの機能選びがすべてブレていきます。あわせて、その人が「いつ、どんな場面でアプリを開くのか」も一行加えておくと、画面設計の判断基準になります。通勤中に片手で使うのか、家で腰を据えて使うのかで、置くべきボタンの大きさも情報の量も変わってきます。
3つめは「それを叶える最小の機能はどれか」です。思いついた機能を全部書き出すのではなく、困りごとを解決するために最低限必要なものだけに絞り込みます。目安としては、その機能が無いと最初の困りごとが解けないかどうかで判断すると迷いません。あると便利なだけの機能は、この段階では外して構いません。4つめは「画面はどう繋がるか」で、これは次の章で扱う画面の流れそのものです。
そして5つめが「やらないこと」です。この項目だけ少し毛色が違いますが、実は一番効いてきます。開発の途中で思いついた「あったら便利」な機能をここに書き留めておくだけで、最初に決めた最小構成から脱線しにくくなります。5つの項目はどれも一行で構いません。長く書くほど良いメモになるわけではなく、後から自分が一目で読み返せることのほうが大事です。
画面の流れは、手書きの矢印で十分
画面設計というと専用のツールを思い浮かべるかもしれませんが、最初のバージョンを考える段階では紙とペン、もしくは手元のメモアプリで十分です。起動して最初に出る画面から、主要な操作をたどって元の画面に戻ってくるまでを、線で結んでいくだけで構いません。
この作業の目的は、きれいな図を作ることではなく、画面同士のつながりに抜けや矛盾がないかを自分の目で確かめることです。「この画面から前の画面に戻れるか」「この操作のあと、どこに着地するのか」を線でたどってみると、頭の中だけでは気づかなかった抜けが見つかります。
もう一つの効用は、枚数そのものが物差しになることです。線を引き終えたときに画面が10枚を超えていたら、最初のバージョンとしては欲張りすぎているという合図として使えます。厳密な基準ではありませんが、削れる画面がないか見直すきっかけにはなります。
描くタイミングは、コードを書き始める前がおすすめです。作りながら考えると、すでに書いた画面に引っ張られて、後戻りしにくい構成のまま進んでしまいます。先に線を引いておくと、まだ何も作っていないうちに構成を変えられるのが、この作業の一番安いところです。
「やらないこと」は消すのではなく、別の欄に移す
開発を進めていると、当初のメモにはなかった機能をふと思いつくことがよくあります。ここで大事なのは、その思いつきを頭の中で無理に打ち消すのではなく、「やらないこと」欄に一行書いて逃がしてしまうことです。
「捨てる」のではなく「今回は後回しにする」だけだと分かっていると、目の前の判断が驚くほど軽くなります。せっかく思いついたアイデアを失うわけではないので、いま進めている作業に集中しやすくなります。個人開発で完成しない一番の原因は、能力ではなく途中で対象が膨らむことなので、この一行の逃がし先があるだけで完成率が変わります。
そしてこの欄は、書いて終わりではありません。次のバージョンを考えるときの企画メモに、そのままアイデアの候補として持ち越せます。1枚のメモが、リリースのたびに書き足されていく資産になっていきます。実際に公開したあとは、ユーザーからの要望もこの欄に足していくと、次に何を作るかを考える材料が自然に溜まっていきます。
外注するなら、書く内容が変わる
ここまでの5項目は、自分ひとりで開発を進めるための最低限のメモでした。誰かに開発を依頼する場合は、書き方を少し変える必要があります。自分用のメモは箇条書きで足りますが、人に頼むときは「してほしいこと」ではなく「できあがった状態」を書くのが基本です。
「ログイン機能をつけてほしい」だけでは、相手によって想像する完成形がバラバラになりがちです。どの画面から入り、何を入力すると、どんな画面に遷移するのか——ここが曖昧なままだと、見積もりの精度も出にくくなります。
なので、外注を検討する段階では、費用の話をする前に画面の流れまで用意しておくと話が早く進みます。渡す資料が同じなら、複数の相手から出てきた見積もりを並べて比べることもできます。見積もりを比べるときは、金額の大小よりどこまでが含まれているかを先に揃えて見ます。デザインの工数、ストアへの申請作業、公開後の修正対応が入っているかどうかで、同じ金額でも中身がまるで違ってくるためです。
アプリ企画書を書く前に、需要も確かめておく
どれだけ丁寧に画面の流れを描いても、その困りごとを検索している人がいなければ、アプリは届きません。企画書を書き始める前に、「狙う言葉」とその需要感を一番上にメモしておくと、あとの判断がぐっと早くなります。
「やらないこと」を決めるときも、「この機能は本当に求められているのか」を判断するときも、最初にメモした需要の感触が拠り所になります。感覚だけで決めるより、数字を一度見ておいたほうが、途中で立ち止まる回数は減ります。
こうした確認は、AppLupeのようなツールを使うと数分で終わります。キーワードごとの検索ボリュームと関連キーワードを、メール登録だけ(カード不要)で毎日3回まで無料で調べられるので、企画メモを書く前の下調べとして使いやすい方法です。
よくある質問
Q. アプリ開発の企画書は絶対に書かないといけませんか?
必須ではありませんが、書いておくと迷ったときに戻れる場所ができます。特に一人で開発していると、途中で判断基準がぶれやすくなります。A4一枚のメモ程度なら5分もかからないので、コードを書き始める前に用意しておくと、あとが楽になります。
Q. アプリ企画書と仕様書はどう違いますか?
個人開発の文脈では、企画書は「何を作るか」を決めるための短いメモ、仕様書はそれを開発者向けに詳しく落とし込んだものと考えると分かりやすいです。自分ひとりでスマホアプリを作るなら、1枚のメモが両方を兼ねることも多いです。
Q. スマホアプリの画面の流れはどんなソフトで作ればいいですか?
特別な道具は要りません。紙とペンで線を引くだけでも十分ですし、普段使っているメモアプリに手書き感覚で書いても構いません。大事なのは道具ではなく、画面同士のつながりを自分の目で確認することです。
AppLupe(アップルーペ)運営ツールこのブログを運営しているAppLupeは、App Store対応のASOツールです。「作ったアプリが検索で見つからない」を解決するために、キーワード調査から順位計測までを1つにまとめています。
- キーワードの検索ボリューム(AppLupe指数)と関連キーワードを確認
- 競合アプリがどのキーワードから流入しているかを実測
- AIがタイトル・サブタイトル・スクリーンショットの改善案を自動生成
- 狙ったキーワードの検索順位を毎日自動トラッキング