「アプリ開発のアイデアが思いつかない」「思いついたけど需要があるか不安」——検索するとこの2つの悩みにぶつかります。実はどちらも、アイデアを思いつき任せにしていることが原因です。アイデアには探す場所があり、思いついた後にも確かめる手順があります。アイデアの源泉になる4つの場所、思いつきを企画に変えるフィルタ、検索需要から逆算して『探されているのに空いている場所』を見つける具体的な手順まで、作る前にやっておきたいことを個人開発者向けに順番に整理します。
「思いつかない」と「思いついたけど不安」は同じ入り口の悩み
アプリ開発のアイデアで止まってしまう人には、大きく2つのパターンがあります。一つは、何を作ればいいのかそもそも思いつかない人。もう一つは、やりたいことはすでに決まっているけれど、本当に需要があるのか確信が持てず、手が止まってしまう人です。一見すると別の悩みに見えますが、どちらも「アイデアを思いつき任せにしている」という点では共通しています。
思いつき任せにしている限り、前者はアイデアが降ってくるのをただ待ち続けることになりますし、後者は思いついたたった1個のアイデアに賭けるしかなくなります。ここで必要なのは、アイデアを探す場所をあらかじめ決めておくことと、思いついたものを判定する基準をあらかじめ持っておくことの2つです。アイデアの探し方から需要の確かめ方まで、この両方を順番に整理していきます。
アイデアの源泉になる4つの場所
アイデアが降ってこないと感じるときは、探す場所そのものが偏っていることがほとんどです。まず一番手を伸ばしやすいのが、自分自身の毎日の不満や面倒です。「この作業、毎回同じ手順を繰り返している」「このアプリのここが使いにくい」といった日常の小さな引っかかりは、記録しておくだけでそのまま企画の種になります。
次に有効なのが、自分が所属しているニッチな集団の困りごとです。趣味のコミュニティ、職場の特定の業務、地域の集まりなど、狭いけれど自分がよく知っている場所には、外部の人が気づきにくい不便が転がっています。専門知識があるぶん、後から他の開発者が同じ切り口に参入しにくいという利点もあります。
3つめの源泉は、既存アプリのレビュー欄です。星1〜3のレビューには、「ここが不便」「こういう機能が欲しい」という生の不満がそのまま並んでいて、企画のヒントの宝庫になっています。4つめは、検索されているのに良いアプリが見当たらない領域です。検索してみて上位に出てくるアプリの評価が低かったり、更新が長らく止まっていたりする場合、そこは需要はあるのに供給が追いついていない場所かもしれません。
思いつきを『企画』に変える3つのフィルタ
アイデアが浮かんだら、そのまま作り始める前に3つの問いでふるいにかけます。1つめは、自分自身がそのアプリを使い続けたいかという問いです。作り手自身が普段から使わないアプリは、細かい不便にも気づきにくく、リリース後の改善が後回しになりがちです。
2つめは、何をするアプリか一文で説明できるかです。説明の途中に「そして」「あと」が何度も入るアイデアは、機能を欲張りすぎているか、そもそも軸が定まっていない可能性があります。逆に、一文で言い切れるアイデアほど、ストアページやSNSでもユーザーに伝わりやすくなります。
3つめが、検索需要があるかという問いです。ここだけは自分の感覚だけでは判断がつきにくいので、具体的な調べ方は次の章で説明します。この3つの問いをすべて満たすアイデアだけを次の段階に進める、というルールをあらかじめ決めておくと、迷ったときの判断がぶれにくくなります。
検索需要から逆算してアイデアを探す
「検索需要があるか」を確かめる一番手っ取り早い方法は、思いついたジャンルの言葉で実際に検索してみることです。見るポイントは、その言葉で検索していそうな人がどれくらいいそうかと、その言葉で上位に出てくるアプリの完成度の2つです。検索されているのに上位アプリの評価や更新頻度がいまいちなら、そこは狙い目と言えます。
このとき感覚だけで判断すると、「なんとなく人気そう」「なんとなくニッチすぎる」といった思い込みに引っ張られがちです。AppLupeのようなASOツールを使うと、キーワードごとのおおよその検索ボリュームや、あわせて検索されている関連語を一覧で確認できます。メール登録だけ(カードは不要)で毎日3回まで無料で調べられるので、企画段階から気軽に数字を確認する習慣をつけやすくなります。
見るべきは、狙っている言葉そのものだけではなく関連キーワードも含めてです。本命の言葉は競合が多くても、関連語の中に、検索はされているのに専用アプリが少ない切り口が見つかることがあります。企画段階でこの確認をしておくと、作った後になって「実は需要がなかった」と気づく事態を避けやすくなります。
アイデアはすぐ作らず、メモして寝かせる
3つのフィルタを通ったアイデアであっても、思いついたその日にコードを書き始めるのはおすすめしません。一度メモして数日置いてみるだけで、勢いだけで良く見えていたアイデアと、時間が経っても作りたい気持ちが変わらないアイデアの違いが見えてきます。
理想は、アイデアを3個くらい貯めてから比較することです。手元に1個しかないとそれに賭けるしかなくなりますが、並べて比較できれば「説明のしやすさ」「検索需要」「自分がどれだけ作りたいか」を基準に優先順位をつけられます。メモ帳やタスク管理アプリの片隅に、思いついた時点のアイデアを一行だけでも書き留めておく習慣が、地味に効いてきます。
完璧なアイデアを待たない
ここまでの手順を踏んでも、「これなら絶対にうける」と確信できるアイデアに出会えることはまれです。フィルタと需要確認は、あくまでハズレを減らすための手順であって、当たりを保証するものではないと理解しておいてください。
実際に手ごたえがつかめるかどうかは、ある程度形にして数字を見てみないと分かりません。3つの条件を満たすアイデアが見つかったら、そこそこの手応えで一度形にしてみる姿勢のほうが、次のアイデア選びの精度も結果的に上がっていきます。完璧な1個を探し続けるよりも、及第点のアイデアを実際に試すサイクルを回すことを優先してください。
よくある質問
Q. アプリ開発のアイデアが全く思いつきません。どうすればいいですか?
思いつかない場合は、アイデアが降ってくるのを待つのではなく、探す場所を先に決めるのが近道です。自分の毎日の不満、所属しているニッチな集団の困りごと、既存アプリのレビュー欄の不満、検索されているのに良いアプリがない領域の4つを、順番に見てみてください。
Q. 思いついたアイデアに需要があるか、どう確認すればいいですか?
自分の感覚だけで決めず、実際にそのジャンルの言葉で検索してみるのが基本です。検索需要がありそうか、上位に出てくるアプリの評価や更新頻度はどうかを見れば、需要はあるのに供給が弱い場所かどうか判断しやすくなります。作る前にひと手間かけるだけで、需要のズレはかなり減らせます。
Q. アイデアを思いついたら、すぐ開発を始めてもいいですか?
フィルタを通ったアイデアでも、すぐには着手せず数日メモして寝かせることをおすすめします。勢いだけで良く見えていたアイデアかどうかは、時間を置くと見分けやすくなります。3個くらい貯めて比較すると、1個だけで判断するよりも精度が上がります。
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