アプリ開発を何から始めるか迷っている初心者がまず決めるのは、言語ではなく①作りたいもの ②動かす場所 ③コードを書くか書かないかの3つです。②はiPhone・Android・Webのどれか、という意味になります。プログラミング言語の教材から始めて手が止まってしまうのは、この3つを決める前に走り出すからです。3つの決め方と、決まったあとにどこを読めばいいか、最初の一歩の踏み出し方を整理します。
アプリ開発を何から始めるか、まだ何も決まっていない段階の人へ
アプリ開発の初心者向けの情報を調べると、独学の学習ロードマップをまとめた記事や、個人開発の全体の工程を順番に解説した記事、iPhone・Android・Webそれぞれの始め方を扱った記事など、すでに詳しい記事が数多く出てきます。情報自体はまったく不足していません。
ただ、それらの記事はどれも「何を作るか」「どこで動かすか」がある程度決まった後に読んではじめて効果を発揮するものばかりです。ここで扱うのはその手前、アプリ開発を何から始めるかもまだ決まっていない段階です。読み終える頃には、自分が次にどこを読めばいいかと、最初の一歩が決まっている状態を目指します。
使い方はシンプルです。この後の3つの章で「作りたいもの・動かす場所・コードの有無」を順番に仮決めして、決まったものに対応する詳しい記事(OS別の始め方・独学ロードマップ・個人開発の手順)へ進んでください。ここで渡すのは地図で、目的地までの歩き方はそれぞれの詳しい記事が担当します。
初心者が最初に決めるのは、言語ではなく3つのこと
アプリ開発というと、まず「何の言語を勉強するか」から考えたくなります。ただ、言語選びは実は一番最後に自動的に決まる項目です。先に決めるべきは、①何を作りたいか②どこで動かすか③コードを書くか書かないか、という3つだけです。
この3つが決まると、学ぶべき言語も、使うツールも、次にどの情報を読めばいいかも、ほぼ一本道で決まっていきます。逆に、この3つを決めないまま教材選びから入ってしまうと、途中で「これで合っているのか」が分からなくなり、手が止まりやすくなります。次の章から、この3つを順番に見ていきます。
3つを決めるのに、何日も悩む必要はありません。どれも仮決めで大丈夫です。作りながら「やっぱりWebじゃなくてiPhoneにしたい」と思ったら、その時に変えればいい。最初の決定は人生の選択ではなく、歩き出す方向を仮に定めるだけのものです。完璧な答えを探して止まるより、仮の答えで一歩進むほうが、結果的に正しい答えに早くたどり着きます。
①何を作りたいか──ここが決まらないと何も始まらない
最初の関門は、作りたいアイデアが自分の中にあるかどうかです。壮大なものでなくて構いません。自分が実際に使う小さな道具で十分です。家計簿の一部を自分好みにしたい、練習中の趣味の記録を取りたい、といった身近な困りごとのほうが、途中で作る理由を見失いにくくなります。思いつかない場合は、この1週間で「面倒だな」と感じた瞬間を書き出してみると、道具の種が見つかることが多いです。
逆に、作りたいアイデアが決まらないまま言語の教材から手をつけてしまうのは、つまずきやすいパターンです。文法は覚えられても「何のために書いているか」が見えず、教材が終わる頃には最初の熱量も薄れてしまいます。まず作りたいアイデアを一つ、紙に書き出すところから始めてください。
すでに作りたいアイデアが決まっている方は、次に進む前に、それが検索される言葉になっているかを確かめておくと安心です。AppLupeのようなツールを使うと、そのジャンルがApp Storeでどれくらい検索されているかを、メール登録だけで毎日3回まで無料で確認できます。作り始める前に一度覗いておくと、後の工程が無駄になりにくくなります。
②どこで動かすか──iPhone・Android・Webの3択
次に決めるのは、そのアプリをどこで動かすかです。選択肢は大きく分けてiPhone・Android・Webの3つで、これは好みだけでなく、手持ちの機材や届けたい相手によってある程度絞られます。自分がiPhoneユーザーなら、まずiPhone向けから始めるのが自然な流れになります。
3つのうちどれを選んでも、環境構築から公開までの具体的な手順は、それぞれ別に詳しい記事にまとめています。ここでは深入りせず、「自分はどれで動かしたいか」を一つ選ぶところまでを決めてください。迷う場合は、比較的取り組みやすいWebから触ってみるのも一つの手です。
決め方の目安も置いておきます。自分や身近な人のスマホで使いたいなら、手持ちの端末のOSをそのまま選ぶのが最短です。URLを送るだけで誰にでも見てもらいたい、機材をまだ揃えたくない、という場合はWebが身軽です。将来ストアに並べたい気持ちが強いなら、iPhoneかAndroidを最初から選んでおくと、あとで作り直す手間が減ります。
③コードを書くか、書かないか
3つめの分岐は、プログラミングを学びながら作るか、ノーコードのしくみで先に形にするかです。どちらも正解で、優劣がある話ではありません。プログラミング学習から入る道は遠回りに見えて、次に何を作るときにも使える力として残ります。
一方で、ノーコードで先に形にする道は、作りたいアイデアが本当に成立するかを早く確かめられるのが強みです。コードを書く道を選ぶ場合、具体的な学び方や教材の選び方は、独学の学習ロードマップを扱った記事に詳しくまとめていますので、そちらを参考にしてください。
ここで大事なのは、どちらか一方だけが正しいと決めつけないことです。まずノーコードで形にしてから、必要に応じてコードを学ぶ、という順番で進む人も少なくありません。自分の状況と時間に合わせて選んでください。
なお、いまはAIにコードの書き方を相談しながら進められる時代なので、「コードを書く道」のハードルは数年前よりはっきり下がっています。エラーの意味を聞いたり、書いたコードを直してもらったりしながら進む学び方も普通になってきました。書く道を選ぶ場合の心強い追い風として覚えておいてください。
最初の一歩は「1画面だけの完成」でいい
3つが決まったら、最初の目標はできるだけ小さく設定してください。目安として、最初の2週間で目指すのは「1画面だけの完成」です。全機能を作り込む必要はなく、触ったときにきちんと動くとわかる画面が一つあれば、最初の目標としては十分です。
つまずきやすいポイントは大きく3つあります。教材を全部終えてから作ろうとすること、最初から大作を設計してしまうこと、環境構築でつまずいて数日止まってしまうことです。特に環境構築で詰まった場合は、一旦ノーコードやWebに迂回して、先に「動く」を体験してしまうのも有効です。
小さく完成させる経験を一度でも積むと、次の一歩に進みやすくなります。言語の優劣や上達の速さを気にするより、まず自分が決めた3つに沿って、小さく一つ作り切ることを優先してください。決めることさえ決まれば、あとは手を動かすだけです。
最後にひとつだけ実務的なコツを。決めた3つは、頭の中に置いておかずにメモに書いて見える場所に貼っておいてください。開発を進めていると、他の言語やツールの情報が目に入って必ず迷いが出ます。そのたびに「自分はこれを、ここで動くように、この作り方で作る」と立ち返る先があるだけで、寄り道してもちゃんと戻って来られます。
最後に、少し先の話をひとつ。1本目を出したあとに必ずぶつかるのが、作ったのに誰にも気づかれないという壁です。3つを決める段階で「この言葉で探している人に届けたい」まで一緒に決めておくと、公開してからの動きがぐっと楽になります。作ることと届けることは、同じ企画の表と裏だと考えておいてください。
よくある質問
Q. 初心者はアプリ開発を何から勉強すればいいですか?
言語の勉強から入る前に、①作りたいアイデア②動かす場所③コードを書くか書かないか、という3つを先に決めてください。この3つが決まれば、学ぶべき言語や教材は自動的に絞り込まれます。決まったら、独学の学習ロードマップを扱った記事を参考にしてください。
Q. iPhoneとAndroid、どちらから始めるべきですか?
優劣で選ぶ話ではなく、手持ちの機材と届けたい相手で決めれば十分です。自分がiPhoneユーザーならiPhoneから、Androidユーザーに届けたいならAndroidから、というように自然に絞り込めます。具体的な始め方はそれぞれ別記事で詳しく解説しています。
Q. プログラミングができなくてもアプリは作れますか?
はい、可能です。ノーコードのしくみを使えば、コードを書かずに形にする道があります。まず動くものを作って手応えをつかんでから、必要に応じてコードを学ぶという順番で進める人も多くいます。プログラミング経験の有無より、3つの決めごとの方が重要です。
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