競合アプリを調べる目的は、勝てるかどうかを占うことではなく、自分の1本をどこに置くかを決めることです。「もう競合が多そうだからやめておこう」で終わってしまうなら、見る場所がずれています。ツールに頼る前にストア内でできる手作業の観察を軸に、見るべき5つの視点と、レビューの読み方、やってはいけないことまで、個人開発者が実際に手を動かせる順番で整理します。
競合調査の目的を先に決めておく
競合アプリを検索して並んでいるアイコンをスクロールしながら眺めていると、つい「これは強そうだ」「自分には到底無理そうだ」といった感想だけで満足して終わってしまいがちです。感心したり落ち込んだりするために貴重な時間を使うのは、正直なところもったいないことです。競合調査で本来やるべきなのは勝敗を占うことではなく、自分のアプリをどこに置くかを決めるための材料集めだと考えてください。
目的が曖昧なまま調査を始めてしまうと、いくら情報を集めても最終的な判断にはつながりません。「どの機能を削って身軽にするか」「どの言葉で勝負するか」「どのユーザー層に寄せて作るか」など、調べ始める前に決めたいことを1つか2つ、あらかじめ言葉にしておくことをおすすめします。同じ画面を見ても、得られる情報の質がまったく変わってきます。
たとえば「自分が作ろうとしている機能は、すでに競合に十分な形で存在しているか」を確認したいのか、それとも「同じ言葉で検索されたときに、自分のアプリが埋もれずに見つけてもらえそうか」を確認したいのかで、見るべき場所も、メモに残しておくべき内容も変わってきます。目的をひとつ決めるだけで、調査全体の効率はかなり上がります。
最初にやるのは、ストア内での手作業の観察
ツールを使う前に、まずは自分がそのアプリで使いたいと考えている言葉で、実際にストア内検索をしてみてください。ここで見るべきなのは総合ランキングではなく、その言葉で検索したときに実際に並ぶ検索結果です。ランキングはジャンル単位で上位の一部しか映りませんが、検索結果は言葉ごとに違う並びが出ます。自分のアプリが置かれる可能性があるのは後者のほうです。
上位に並んでいるのが大手企業が開発したとおぼしきアプリばかりなのか、それとも個人や小規模チームが作ったと思われるアプリも混じっているのかを見るだけで、そのジャンルに入り込む余地があるかどうかの感触はかなりつかめます。目安として上から20件ほどを、アイコンとタイトルだけでもいいのでざっと眺めてみましょう。
このとき、同じジャンルでも検索する言葉を少し変えるだけで、上位に出てくる顔ぶれが変わることにも気づくはずです。ひとつの言葉だけで判断せず、自分が思いつく言い換えを2〜3パターン試してみると、そのジャンル全体の見え方がより立体的になります。
見るべきは5つの視点
見るべき点は主に5つあります。1つめは何を売りにしているかで、1枚目のスクリーンショットと説明文の最初の1行を見れば、そのアプリが一番押し出したい強みがおおよそ分かります。2つめは評価とレビューの中身で、星の数そのものよりも、低評価に書かれている不満の内容のほうが、後の企画で使える情報になります。
3つめは更新の止まり具合です。最終更新が長く止まっているように見えるアプリが上位に居座っているジャンルであれば、まだ手を入れる余地が残っている可能性があります。4つめは対応範囲で、無料と課金の線引き、対応OS、対応言語をひと通り確認しておくと、自分がどこで差をつけられそうかが見えてきます。
5つめは名前と説明文に使っている言葉です。競合がどんな言葉を並べているかは、その開発者がどんな検索を想定しているかを推し量るヒントになります。同じジャンルのアプリ同士でも、使っている言葉が違えば、想定しているユーザー像そのものが違っている可能性もあります。
レビューは競合調査で一番おいしい場所
低評価のレビューは、言い方を変えれば「作ってほしいもののリスト」のようなものです。「この機能がない」「ここが使いにくい」といった率直な不満は、そのジャンルのユーザーが何を求めているかを、アンケート調査よりもずっと生々しい形で教えてくれます。
ただし、そこに書かれている不満に全部応えようとすると、当初考えていたアプリとはまったく別物になってしまいます。拾うべきなのは、あくまで自分が作りたいものと重なる不満だけに絞ることです。全方位に応えようとするより、自分の方向性を保ったまま参考にする姿勢のほうがうまくいきます。
なお、自分のアプリに届いたレビューと競合のレビューでは、読む目的がそもそも違います。自分のものは返信して個別に対応できる相手ですが、競合のものは手を出せない代わりに、まだ誰も満たしていない需要がそのまま残っている場所として読めます。ここではあくまで、まだ自分のものではないアプリのレビューを、企画のヒントとして読む視点に絞って考えてみてください。
やってはいけないこと
競合調査で集めた情報を、そのまま真似ないことは大前提です。画面のレイアウトや説明文の言い回しをそっくりコピーするのは、規約上問題になりうるうえ、そもそも同じことをやっても後発である自分に有利は生まれません。見た目や構成が似ていれば、ユーザーから見ても違いが分かりにくくなってしまいます。
アプリの名前を、競合と紛らわしくなるほど寄せてしまうのも避けたいところです。検索したユーザーを混同させてしまう可能性がありますし、自分のアプリの印象を独自に育てていく妨げにもなります。名前が似ていると、レビューや口コミで別のアプリと取り違えられることもあり、せっかくの評価が自分に返ってこないという損もあります。
説明文やSNS、記事などで他のアプリを名指しして貶すような書き方も避けるべきです。個人開発の強みは、同じ土俵で相手より上手にやることではなく、別の使い道に寄せることから生まれます。切り口さえ変えれば、競合は脅威ではなく参考情報として付き合えます。
手作業の観察の先に、数字で確認したいこと
ここまでの手作業の観察だけでも、そのジャンルの空気——大手が強いのか、個人にも余地がありそうか、どんな不満がずっと放置されたままなのか——はかなりつかめます。ただし、外から見える競合のダウンロード数や売上は正確な数字ではなく、あくまで推定の域を出ないことは頭に置いておいてください。
また、どの言葉にどれくらいの検索需要があるのかは、画面を眺めているだけでは分かりません。ここだけは、感覚ではなく数字で確認する必要があります。AppLupeのようなツールを使うと、キーワードごとの検索需要や関連キーワードを、メール登録だけ(カード不要)で毎日3回まで無料で調べられるので、手作業の観察と数字による確認を組み合わせると、企画の精度がぐっと上がります。
手作業の観察と数字の両方をひと通り済ませたら、あとは完璧な情報を集めきろうとせず、そこまでで見えた材料をもとに次の一歩——企画を練り直すのか、そのまま進めるのか——を決めてしまうくらいの軽さで十分です。
よくある質問
Q. 競合アプリはどこまで詳しく調べればいいですか?
ストア内検索で上位20件ほどをざっと眺め、スクリーンショット・説明文・レビューを一通り確認すれば十分です。深追いするより、目的を決めてから見るほうが、限られた時間で得られる情報の質はぐっと上がります。
Q. 競合アプリのダウンロード数や売上を正確に知る方法はありますか?
外部から正確な数字を知る方法はなく、見えるのはあくまで推定です。ランキングやレビューの増え方からおおまかな勢いを推測するにとどめ、正確な数字を追うことにこだわりすぎないほうが建設的です。
Q. 競合を意識しすぎて手が止まってしまいます。どうすればいいですか?
競合調査の目的を「勝敗を占うこと」ではなく「自分の置き場所を決めること」に絞ると、比較して落ち込みにくくなります。気になった不満だけメモして次の作業に進むくらいの距離感がちょうどいいです。
AppLupe(アップルーペ)運営ツールこのブログを運営しているAppLupeは、App Store対応のASOツールです。「作ったアプリが検索で見つからない」を解決するために、キーワード調査から順位計測までを1つにまとめています。
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